- 季節の便り
令和8年 年頭のご挨拶
新年あけましておめでとうございます。
令和8年の年頭に当り、謹んで新年の祝詞を申し上げます。
常陸國總社宮は国衙の南、倭武天皇(ヤマトタケルノミコト)が腰掛けた「神石」のある丘に造営された「総社」です。その創建は詳らかではありませんが、古文書として茨城県指定文化財第一号となった「總社文書」を紐解くと長大な時の流れの一端をうかがい知ることができます。
当宮は常陸国の国司が、国内のあらゆる神々に祈りを捧げる場所として創建されました。歴代の国司は当宮を拝することで、常陸国の風光明媚な自然に宿る神々に、当国の安寧を願ってきたのです。この「国府の神祭り」を継承する總社宮の例大祭は、時代が進むごとに様々な要素を加えて参りました。獅子・山車・ささらを代表とする神賑わいは毎年の神祭りを彩り、今や無形民俗文化財としてお認めいただくことになりました。すなわち、「祈り≒祭り」が人々の宝であることの証です。
古来、總社宮の神主(宮司)は「清原」という姓を名乗って参りました。鎌倉時代の清原師行、江戸末期に總社の再興に尽力した清原師泰などの名前が知られます。小職は昨年4月1日付で、当宮及び兼務22社の宮司職を神社本庁から拝命することになりました。就任に際して、總社宮の伝統を受け継ぐべく、清原師竺(もろあつ)として神明に奉仕することに致しました。総代、氏子各町、兼務社そして崇敬者の皆様とともに「常陸国」の新しい時代を作っていきたいと考えています。
当宮と氏子会では昨年から今年にかけて昭和百年記念事を進めています。また令和17年には大きな節目となる御鎮座千三百年が控えています。戦後、国の管理を離れ宗教法人となった神社は氏子崇敬者の赤誠の心によって支えられてきました。目には見えぬ神様へ「祈る心」を、總社宮で共に育んで参りましょう。皆様の平和な暮らしを、常陸国の中心で日々お祈りしています。
常陸國總社宮 宮司 清原師竺