常陸國總社宮

神職日記|4人が語る、神様と暮らす日々。

麗しく頼もしき女性たち

緊急事態宣言が解除され、少しずつご参拝が増えてきたような気がします。今月に入ってからは関東近県、なかには関西方面からお越しの方もあり、「どちらからお越しですか?」という自然な会話もためらいなくできて、会話に明るさが増して嬉しいです。

この度、当宮に10年勤務してくれた女性が退職しました。彼女は大学1年生の時から勉学と巫女を両立させ、卒業後は本格的に巫女として奉職(就職)してくれました。結婚後は事務職の傍ら巫女の育成をし、この度は妊娠を機に退職となりました。もちろん、産後はいつでも復帰して欲しいのですが、あまり先を考えずに今は出産と来たる育児にのみ専念して欲しいと思っています。しかしながら、彼女の存在と仕事のスキルの高さにどれだけ依存していたのか思い知らされる毎日です。彼女の優秀な点は枚挙にいとまはありませんが、心身共に支えてくれていた存在を失い、ちょっと途方に暮れています。

これまでどれだけの女性に支えられてきたか。

もちろん支えてくれたのは女性ばかりではありません。ただ、誤解を恐れずに書きますが、人生の中で年齢やキャリアのみならず、生活スタイルそのものが変化していく女性というものにとって、同じく女性の協力や理解は必要不可欠なのです。男性の皆さん、今回は男性への感謝はちょっと脇へ置いておきます。ごめんなさい。

次女である私は、未だに姉に甘えてばかりですし、女子高時代はパワフルな友達とあっという間の時間を過ごし、大学時代は気の利かない適当な私に友人たちは「しょうがないなぁ」と言いながら世話を焼いてくれる(皆、長女ばかり)。奉職した笠間稲荷神社さんでは女性神職として初めて採用していただき、男性神職の中に一人飛び込んだものの大変なことも多くありました。初めて見る女性神職かつ新米の私に対して、高卒でキャリアを積む巫女さん達が、いつも神職として立ててくれながら優しく和ませてくれていたお陰で社務を続けられました。毎朝私のロッカーにおにぎりのお供えをしてくれていた、親ほど年の離れたお姉様方(元巫女さん)の存在も有難かったなあ。

結婚直後は風習や社務に慣れずまだ知り合いの少ない中、職場では身近に年の近い女性がいてくれることが心強かったし、「いつ寝てるの?」というほど皆一様にパワフルな地域の女性達の活躍に触れ、良い仕事やご縁もできました。妊娠・出産を経て、いま育児と社務の両立をどうにかできているのも、権禰宜橋もっちゃんと巫女さん達のお陰という日々です。

結婚、出産、育児、親の介護…。女性は男性に比べてこれらの理由で離職の確率も高いかもしれません。でもやっぱり女性にしかできない役割もあって、当宮の場合、巫女さんも女性の神職もなくてはならない存在です。

そんなわけで只今、巫女さん・神職、その他の職も絶賛募集中です。

※これが言いたくて書いたわけではありませんよ。ちなみに↓画像は「五十鈴さんの本音を伝えすぎじゃないですか」と巫女さんに失笑されている男性奉仕者募集のイラストです。「いらすとやさん」ありがとうございます。

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