今日は青屋神社を紹介します。總社宮の大鳥居から徒歩3分、最寄の神社です。
ご祭神は天照大神、鵜葺草葺不合尊、武甕槌命の三柱。
いまは静かに鎮座していますが、長い歴史の中で常陸国全体のまつりごとに関わってきました。
古代、国司は都から常陸国に赴任してくると一之宮である鹿島神宮に参拝していました。鹿島へは高浜から船で参拝する風習でしたが、悪天候で出航できないときには、高浜に青草で仮屋を作り鹿島神宮を遥拝していたそうです。これが青屋祭の始まりと言われています。青屋祭は中世には6月21日に高浜神社や大洗磯前神社、石岡市石川地区の鹿島神社などで行われました。
室町時代、応永33(1426)年には事件が起きます。
第16代大掾満幹が青屋祭のため一族を挙げて水戸から府中にやってきましたが、この間に留守にしていた水戸城を江戸通房に奪われてしまったのです。その後満幹は暗殺されてしまいます。
この事件は応永23年の上杉禅秀の乱で禅秀に加担し鎌倉公方である足利持氏に対して挙兵したことに対する報復ともいわれています。
近世になると、現在の青屋神社の鎮座地に細竹で青屋を造って祭事を行うようになりました。
現在では7月21日に本殿の屋根に青草を敷き詰めて例祭(青屋祭)が行われ、直会にススキの箸でうどんを食べる風習が残っています。
「箸もススキもゆかりの色よ うどん召しませ 青屋祭」
青屋神社の例祭はさわやかな草いきれと、おいしいうどんの香りがします。