常陸國總社宮

神職日記|4人が語る、神様と暮らす日々。

4染谷佐志能神社 龍の住む山

今回ご紹介するのは市街地から離れた筑波連山の東の端、龍神山に鎮座する佐志能神社です。

主祭神は 豊城入彦命、高龗神。また国常立命、大己貴命、少彦名命、国狭槌命、豊斟渟命、猿田彦命、金山彦命、天日鷲命、武甕槌命を配祀しています。

新治国造 佐白公が龍神山に祖神である豊城入彦命を鎮祭しこれが社名の由来となっています。

標高176.9メートルの龍神山は日本最古の地層と言われる古生層に属する巨岩が露出する山で、男女の龍神が住む山として崇められてきました。

ご祭神の高龗神は村上佐志能神社のご祭神、暗龗神とともに雨をつかさどる龍神として崇められています。

2つの社はもともと村上村にある1つの社でしたが、後に染谷村が分村し、龍神山の神社が染谷村の地域に入ったため、村上村では新たに社を建て、日本武尊と暗龗神を祀りました。

このため、龍神山の佐志能神社は染谷佐志能神社と呼ばれ、村上佐志能神社と対として考えられています。

毎年4月19日には例祭が行われ400年前から伝わる里神楽「染谷十二座神楽」が奉納されます。


石岡囃子連合保存会染谷囃子連の協力のもと、長い年月を経て減少していた演目を復活させたもので、うら若き乙女の舞う「巫女の舞」から滑稽な「狐の田うない」、見物人に向かって餅を撒く「鬼の餅まき」など演目は多岐に渡り、最後は「天の岩戸」の舞で締めくくられます。普段は人気がなく、時代劇のロケに使われるほどかむさびた境内も、この日ばかりはご参列の氏子さんや舞人の他、十二座神楽を目当てにした多くの見物人でにぎわうものですが、本年は残念ながら感染症予防のため神楽は奉納されません。また来年の春、新緑の境内に賑やかな神楽が響きわたることを心待ちにしています。

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