先月には秋田の雪の話をしたばかりなのに、もう暑い季節になってきました。
先日、5月5日に常陸國總社宮では御田植祭を行いました。毎年、9月の例大祭に神様にお供えするお米を作る「献穀田」にて田植えの時期に行われるお祭りです。
例年は、このように、早乙女が早苗を植え、氏子青年ひたみち会の皆さんや家族連れの方々、見学者などが集まるにぎやかなお祭りなのですが、昨年に続き今年も新型コロナウイルスの影響で、規模を縮小して、神職と一部の関係者のみで斎行しました。
とはいえ昨年は、遥拝だけだったものが、今年は献穀田にて実際の田植えまで行うことができたため、昨年よりは正式に近いかたちの祭典とすることができました。
来年こそは、もとの形で御田植祭が行えればと思います。
さて、せっかく神職個別のブログなので、私にしか書けないことも書こうと思います。
御田植祭前日、私は現場の献穀田に行って斎場の準備をしてきました。
これまでは御田植祭は、ひたみち会の皆さんのご協力を得て、献穀田の横に仮設の足場を組んで祭典を行っていましたが、今年はその場所に田んぼの持ち主である関口家の方々が地面を作ってくださったため、その上でお祭りができるようになりました。
私が前日行ったときにはすでに地面ができていたため、前日の準備として残っていたのは竹を用意することくらいでした。
御田植祭では竹を4本、1間(約180センチ)四方の正方形になるように立てて、そこにしめ縄を張ります。その位置決めをする際に地面の整備をしている方が、「ピタゴラスの定理で直角を出そう」と言いました。
ピタゴラスの定理というと辺の長さを3:4:5にすると直角三角形ができるというアレです。私は学校で習って以来ひさびさにその名前を聞きました。そういうのもあったなあ~という感じです。
というわけで、今回の御田植祭は正確に測られた正方形の上で行われました。
考えてみれば測量と農業は切っても切り離せない関係。御田植祭にふさわしい設営になったのではないかと思います。