神社の各所にはしめ縄が張られています。拝殿の正面、御神木、末社、腰掛石、手水舎、井戸の周りなどなど・・・。
しめ縄や紙垂は外れたり、緩んだり、汚れたりしたときには随時新しいものに取り替えるのですが、總社宮では年に数度、境内のしめ縄を状態に関係なく、全て一気に取り替える時期があります。九月の例大祭の準備時期もその一つで、しめ縄と紙垂が全部新しい状態で、1年で一番重要な例大祭を迎えられるようにしているわけです。
交換しているときにはいろいろなことに気づきます。この場所はすぐに色が変わってしまうとか、この場所は前から一度も変えてないけどほとんど変わらず新しいままだとか・・・。雨風の影響、日当たりの影響が大きいのだと思いますが、一見汚れやすそうなハードな場所が意外と大丈夫だったりします。神社の中にあると、しめ縄はあまりに自然に溶け込んでいて、目に止まりづらいかもしれませんが、神社らしい風景をつくる要素としても重要なように思います。
ご家庭ではしめ縄を張ることは回数としてはそう頻繁ではないと思います。あっても年に1回お正月に1、2箇所ということが多いのではないでしょうか。
神職をしているとしめ縄を張ることはわりと日常です。なので外を車で運転しているときでも、森の中にあるお社などでしめ縄を見かけたりするとつい気になってしまいます。「新しくなってるなー、取り替えたばかりかなー」とか「こないだの台風でとばされちゃったなー」など・・・。建物や樹木などと比べると変化も大きいし、自分が普段扱っているものと比較しやすいからなのかもしれません。