常陸國總社宮

神職日記|4人が語る、神様と暮らす日々。

菊日記6 奥深くないままにする

冬になり、菊はオフシーズンです。やることが全く無いわけではないですが、花も、葉っぱの成長もありません。根っこが寒い中頑張っているという、地味な状態がしばらく続きます。というわけで今回のブログではオフシーズンにおすすめの、簡単工作をご紹介しようと思います。

↓こちらのブログ(ふだんは模型とか革靴に関するブログのようです)

で紹介されているのですが、要するに「100円ショップ(ダイソー)で売っている数センチの角材をヤスリで削ってニスで塗る」というものです。なぜ大の大人がそんなことを・・・と思うかもしれませんが、これが意外とやってみるとなにかしら作る喜びを味わえるのです(しかも超低コストで!)。

材料費は木材のブロック(8個入)、ニス、はけ、紙ヤスリとすべてダイソーで揃えて440円。作業時間は準備含めて1回の塗りに1分。長くても3分はかかりません。乾くのを待つ間は他のことをします。何日かに分けてのんびりやるのもいいでしょう。出来上がったものも数センチ角で、重ねれば全く場所を取りません。金銭的、時間的、空間的に負担にならないところが気に入ってます。

なんか安っぽい木材

塗って

塗り重ねていく

確かにおよそ失敗とは無縁の作業

肝心の作ったものに満足するかということに関しては・・・その人次第ということになりますが、私はなかなか愛着がわきました。大人になると少しくらい難しくないと達成感がないだろうとか考えてしまうのですが、紹介したブログにも書かれているように、「安くても木には木目がある」ということが効いているように思います。木目がだんだんはっきりして、つやつやの濃い色になると、だんだん良いもののように見えてきます。私の場合、神社に勤めていると木目に囲まれて暮らしているようなものですが、自分で小さい木を塗ってみるととたんにそのディティールが意識されるようになってきました。

ニス塗るの楽しいからどうせなら役立つものを・・・とか、彫刻してアート作品に・・・とか、いい木材やニスを・・・とか考えだすと木工という趣味になります。そうすると奥深さの沼におちてしまいそうで、私はあえて調べずにいます。菊作りのような奥深い世界に悩むのも楽しいですが、奥深くないまま付き合えるものを残して、作業そのもの、ディティールそのものを楽しむことを思い出せるようにしたいと思っています。

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