10月は思い入れのある月だ。自分の誕生日が10月にあるし、同日に伊勢神宮の神嘗祭が行われている。
10月はいわゆる和風月名で「神無月」と呼ばれる。神々が出雲大社に集合して会議を開くので、全国の神社が留守になるという話を聞いたことがある方もいるかもしれないが、これはあくまで俗説。「かんな」とは「神の」という意味が本来で、無の字が充てられることで話が独り歩きしてしまったようだ。もちろん、出雲大社ではその際「神在祭」という行事があって、10月を当地では「神在月(かみありづき)」と呼ぶことも知られているだろう。
以前朝日新聞の連載でこのことを書いたときに「カンナ映画祭」を開催したらどうか、的なことを言ったのだが、その際重要なことを書き忘れた。無論、ユーミンこと松任谷由実さんの名曲「カンナ8号線」についてである。
小学校から中学校に上がる頃、アルバム『天国のドア』が出た頃からだろうか、昔のアルバムを遡って聞くようになり、結果として最も良く聞いたのが81年リリースの『昨晩お会いしましょう』だった。冒頭に挙げた写真はそのジャケット。ピンク・フロイドやジェネシスの作品をも手掛けたイギリスの「ヒプノシス」によるデザインで知られている。
同アルバムで最もよく聴いたは4曲目の「夕闇をひとり」なのだが、次の「守ってあげたい」は80年代におけるユーミン最大のヒット曲と称されることもあって、聴いたことがある人も多いと思う。「カンナ8号線」はその次の6曲目に収録されており、「夕闇」「守って」「カンナ」の流れは俗っぽく言うならば、DNAに刷り込まれている感じがする。
「カンナ」は花の名前で、「環8」すなわち「環状八号線」とその中央分離帯に咲く花をもじった曲名である。この最初の風が吹いてる感じからの「シュワッ(チ)」的な効果音が、子供の頃はなんか少し恥ずかしかったような気がするが、今やこれなくしてはこのアルバムが成り立たないんじゃないかと思うほど、強烈なアクセントになっているようにも思う。何はともあれ聴いたことがない方はこちらを。
と思ったらライブ映像だからシュワッチはなかった。。。気になる人はやはりアルバムを聴いていただく必要がありますね。ていうかユーミン若っ!
思えば以前、ライブでこの曲を聴いたことがあった。「カンナ8号線」はユーミンのライブ定番曲としても有名で、確かあのときはアンコールだったような・・・。この間ユーミンのゲネプロのご案内をいただいたので「行きたい!」と思っていたのだが、なんだかんだでいけずじまい。
おおそうだ。来月は11月ということで恒例の「總社園遊会」が開催される。毎年何がしか新たなプログラムを入れ込んでおりますが、今年は不肖・私が「聴~Sumase~神社でミュージックバー」という小さいなプログラムを企画しております。この勢いで、当日は「神無8号線」をかけてしまいましょう。まさに神(の)曲でありますから。