年が明けてすぐ雪が降り、一人駐車場でザクザク雪かきをしていて思う事。
それは「今年こそ、新しい『仲魔』がほしい……!」である。
いえ誤植ではありません。「仲魔」とは人気RPG「女神転生」シリーズ(通称メガテン)の用語で、主人公とともに戦う「悪魔(アクマ)」の仲間のこと。
「ポケモン」がこれほど市民権を得た今日、「モンスターを仲間にする」ことは何も新しいことではなくなった。
しかし、まだ「ドラクエ」「FF」ともにシリーズ一桁代前半だった80年代当時、それまで戦っていた敵を仲間にして一緒に戦うなど、なかなか想像しにくかった。その固定観念を打破したのがメガテンだった。メインストリームであるナンバリング作品の最新作「真・女神転生Ⅴ」が先ごろ発売されたので、これは何とかして入手せねばならないと思いつつ、自宅にまだSwitchが導入されていたいのでどうしたものかと思案している。
「メガテン」のアクマは古今東西の神話や伝説から、実に数多くのキャラクターが登場する。だから普通は「神様」に分類される存在もアクマと呼ばれる。そのため常陸國總社宮にもお祀りされている「オオクニヌシ」や、常陸一ノ宮である鹿島神宮の「タケミカヅチ」といった日本神話の神様もまた、「仲魔」となって一緒に戦っていただける。さらに、インドや南米、中東の神話から、カーリーやケツアルコアトル、パズスといった神様やモンスターが異種格闘技的に参戦する。今や「シヴァ」と言えば、小学生にだってよく知られているヒンドゥー神話の最高神だが、こうした現状もあるいは、メガテン以降、様々な神話のキャラがゲームに取り込まれたことに由来するのかもしれない。
さて、「仲魔」である。
そう、常陸國總社宮は今、なかなかの人手不足なのだ。
初詣にいらした方は「あんなにいっぱい巫女さんがいるのに?」と思われるかもしれない。
確かに年明けしばらくは「臨時の巫女さん」がたくさんいる。
普段は高校や大学、専門学校に通う彼女たちは、普段神社を切り盛りするスタッフだけでは到底まかなえない初詣の参拝客をお迎えするのに、あちこちから集まってくる。そして期間が過ぎると、「普通の女の子」に戻っていく。いわば臨時アルバイトです。毎年そのうち何人かは、「常勤の巫女さん」になってくれるけれど、やはりある程度の期間が過ぎると一般企業に就職したり、結婚したりして「卒業」してしまう。残されるのはこの「日記」を書いている神職のみ。「そして誰もいなくなった」状態である。
正月も7日を過ぎて、彼女たちが日常に帰っていくと、途端に気づくのだ。そう、我々には「いつも一緒に戦ってくれる仲魔が必要だ……!」と。つまりスタッフを募集しているということなのです。回りくどくてすみません。近く「お知らせ」にも出されると思いますが、神職、巫女ともに常勤で働ける方を募集したいと思っています。
今年、常陸國總社宮のYouTubeチャンネルで始めた新番組「ねぎぼうず」でゲストのお坊さん・増田将之さんとも話していたのだが、神主さん、お坊さんは、高校生、大学生の「なりたい職業」には全然、入ってこない。というか、「なれる」とは思われていないのかもしれない。恐らくこうした職業は全て世襲だと思われていて、特別な家柄でないと神社やお寺で働くことは出来ないというのが、一般的な受け止め方なのだろう。
確かに社寺仏閣の中には代々、その場を切り盛りする「家」の存在があり、そこに生まれたものが宮司だったり住職になったりすることも多い。しかし逆に、一般の家庭から神職、僧侶を志し、最終的にはその社寺のトップとなることも可能なのだ。
さて、現在の常陸國總社宮にはどんなスタッフが必要か、考えてみよう。
まず力仕事がある程度できるスタッフが必要だ。私や某男性権禰宜は中年。宮司も還暦を過ぎていて、重い物を運んだりするのはつらくなってきた。大量のお札や御朱印帳、境内掃除の際に出る枝葉、菊の鉢、祭具類など神社の仕事は重い物を運ぶことが結構あるのである。
PCもある程度使えたほうがありがたい。事務処理は当然パソコンだし、チラシなどデザイン案件もあるからイラレやフォトショを使えるならばさらに嬉しい。そして事務能力。先日長年働いてくれていた元巫女さんで全てを把握してくれていた事務のお姉さんが退職されてしまったので、彼女にいろいろお任せしきりだった我々は毎日ひいひい言っている。
こういうとメガテンでいうと、カーリーとか、セイテンタイセイとか、オーディンとか、ラスボスと戦えるレベルのアクマばかりが思い浮かぶ。
でもこれら全てに当てはまる人は「即戦力」として採用したいけれど、私も中年になったのでこれからは若手を「育てる」ということも必要だと思っています。アクマでいったら雪だるまのジャックフロストくんのような感じでしょうか。だから新卒でももちろんOK。神職の資格も必ずしも必要ありません。神社には神職でないスタッフも必要だし、神職になりたければ、後から資格を取ることだって出来るから。
そういうわけで月並みだけど、一番必要なのは「やる気」です。神社と言う日本の古代から続く歴史的な存在を守り、そこにまつわる文化を醸成し、発信する。そういうことに興味がある人は是非、我が門を叩いていただければと思います。
採用の問い合わせは私、禰宜の石崎までお願いします。